屋根工事にかかる費用について。

屋根工事費用1

屋根工事の種類とその費用

屋根工事の種類は、全面的に工事を行う「全体リフォーム」、部分的に工事を行う「部分工事」、部分的かつ簡易的な工事を行う「簡易補修」と、大きく3つに分けて解説します。なお、「部分工事」については、塗装メンテナンス工事を想定します。

それぞれの代表的な工事について、工事内容と費用の相場をみていきましょう。

全体リフォーム

葺き替え

屋根の葺き替え工事は、既存の屋根をすべて解体撤去したうえで、新しい屋根材に取り替える工事です。

既存の屋根材が寿命を迎え耐久性を失い、「防水する」という屋根としての機能が維持できなくなったタイミングで行います。寿命は屋根材によって異なりますし、雨漏りの発生や塗装メンテナンスをしなかったことで屋根材の耐久性が落ちたりすることもありますが、平均で30年から40年が目安です。古くなった屋根材の解体撤去、処分に加えて新しい屋根材の費用がかかるため安くはありませんが、全面的に新しくなり、どのような種類の屋根でも施工することができます。

実際に施工する場合には、解体撤去のうえ処分する既存屋根材の種類によっても金額が変わってきます。費用の相場としては、おおよそ100万円から200万円程度になることが多いです。

葺き替え工事では、ほとんどの場合で仮設足場が必要になります。既存の屋根材をすべて解体・撤去し下まで降ろすことを考えても、軒先の足場は全面的に必要になります。特に既存の屋根材が瓦である場合は、撤去・運搬がかさ張るうえに処分費が高くなります。また、アスファルトルーフィングなどの防水シートは交換することが多く、木下地については状態によって判断します。

カバー工法

屋根カバー工法は、既存の屋根材を残して新しい屋根を被せる工事です。

古くなった屋根材の解体撤去費用がかからないためそのぶんは葺き替えより安くなり、工期も短くなりますが、屋根の重量が重くなるため、施工できる屋根材が限られます。また、カバー工法では既存屋根材を撤去しないため、下地が傷んでいても交換することができません。下地の劣化が著しいまま新しい屋根を乗せることはできません。

費用の相場としては、おおよそ70万円から130万円程度になることが多いです。

カバー工法でも、多くの場合は仮設足場が必要になります。既存の屋根材の解体撤去・処分と下地の交換はありませんが、下地については既に述べた通り注意が必要です。

部分工事

塗装

塗装工事は、屋根材の表面の塗装を塗り替える工事です。

塗料にもよりますが10年から20年くらいで塗り替え工事が必要になります。まず高圧洗浄でゴミや汚れを取り除き、下塗り、中塗り、上塗りの3回工程で仕上げます。

費用の相場としては、おおよそ30万円から70万円くらいになることが多いです。

簡易補修

簡易補修工事は、屋根材や役物部分で不具合がある場合に、簡単な修理補修を施工することで止水したり雨漏りを防いだりすることで、屋根の維持を図ります。

屋根材のジョイントや隙間などを埋めている漆喰やコーキングは、屋根材本体と比べて耐久性が短く、定期的なメンテナンスが必要になります。また、屋根に付属した設備である雨樋も大雨や飛来物の影響を受けやすく、修理する機会が多い箇所です。

必要な工事範囲や工事部分はさまざまになり、費用の相場としては数万円から50万円くらいと幅があります。

屋根工事とその費用【全体リフォーム編】

屋根工事費用2

瓦屋根の場合

瓦屋根で葺き替え工事をする場合、費用は120万円から180万円くらいが相場です。

瓦屋根でカバー工法をする場合、費用は100万円から150万円くらいが相場です。

ただし、瓦屋根は重いので、耐震性を考えるとおすすめできません。また、重量の問題以外にも、既存の屋根が瓦の場合は、表面のウェーブ形状のため新しい屋根を被せるのが難しく、施工できないケースがあります。

スレート屋根の場合

スレート屋根で葺き替え工事をする場合、費用は80万円から120万円くらいが相場です。

スレート屋根でカバー工法をする場合は、費用は70万円から100万円くらいが相場です。

特に既存の屋根がアスベスト含有のスレート屋根であれば、カバー工法は向いていると言えそうです。解体撤去時のアスベスト飛散を避け、割高になる処分費を節約できます。

ガルバリウム屋根の場合

ガルバリウム鋼板の屋根で葺き替え工事をする場合は、費用は100万円から150万円くらいが相場です。

ガルバリウム鋼板でカバー工法をする場合は、費用は80万円から120万円くらいが相場です。

トタン屋根の場合

トタン屋根で葺き替え工事をする場合は、費用は70万円から110万円くらいが相場です。

トタン屋根でカバー工法をする場合は、費用は60万円から90万円くらいが相場です。

屋根工事とその費用【部分工事編】

屋根工事費用3

瓦屋根の場合

粘土系の瓦では塗装工事は必要ありませんが、セメント系の瓦の場合は10年から20年周期の定期的な塗装のメンテナンスが必要になります。

費用は50万円から80万円くらいが相場です。

塗装メンテナンスの他には、棟部分の積み替え工事などがあります。費用は10万円から30万円くらいです。

スレート屋根の場合

スレート屋根の場合は、数年から10年くらいで塗り替えメンテナンスが必要です。費用は30万円から50万円くらいが相場です。

塗り替えメンテナンスの他には、屋根材の部分的な取り換え工事があります。費用は数万円から20万円くらいです。

ガルバリウム屋根の場合

ガルバリウム鋼板は、10年から20年くらいで塗り替えメンテナンスが必要です。費用は40万円から70万円くらいです。

塗り替えメンテナンスの他には、棟板金の取り換え工事などがあります。費用は10万円から30万円くらいです。

トタン屋根の場合

トタン屋根の場合、10年から15年くらいで塗り替えメンテナンスが必要です。費用は30万円から50万円くらいです。

屋根工事とその費用【簡易補修編】

屋根工事費用4

漆喰補修工事

漆喰は、瓦屋根で使用されることが多く、瓦の隙間や棟との取り合いに使われています。10年から20年くらいで剥離してくることがあり、浸水防止のために補修工事が必要になります。漆喰補修工事の費用相場は5万から20万ほどです。ただしいったん瓦をばらして漆喰を交換する工事では10万から40万ほどになります。

コーキング補修工事

コーキングは、屋根のジョイント部分や壁の取り合い部分の水切りなどで隙間を埋めて防水のために施工する工法です。しかしコーキングは劣化が早いため、補修工事が必要になります。費用相場としては5万円から10万円くらいです。

板金補修工事

板金補修工事は、主に板金系の屋根でズレたりめくれてしまったり飛ばされてしまった際に修理や取り換えを行う工事です。飛来物の衝突で穴が開くというケースもあります。費用相場としては5万円から10万円くらいです。

雨樋補修工事

雨樋は、大雨や台風で変形など破損することがあります。また、木の葉や枝やゴミが詰まって雨水が流れなくなるトラブルもあります。工事としては軒樋や樋受け金具の交換が多く、費用は5万から20万円くらいです。

まとめ

屋根工事費用5

屋根工事の種類とかかる費用について解説しました。

ここで述べてきた費用は相場ですが、明確な理由なく相場から外れた見積もりを提出された場合には確認が必要です。

心配な場合は複数の業者から見積もりを取ったり、インターネット上でも屋根の面積や使う屋根材を入力すれば概算金額が出てくるサービスもあります。また、簡易補修工事ではほとんどが作業費になるため、工事にかかる日数と人数がわかれば見当がつきます。

場合によっては、加入している火災保険が利用できることもありますので、問い合わせてみることをおススメします。

髙橋 直浩

株式会社 高橋ブリキ工房
代表取締役社長

関連記事

  1. 屋根工事役物1
  2. 屋根工事板金1
  3. 屋根工事タイミング1
  4. 屋根工事業者1
  5. 屋根工事銅板1
  6. 屋根工事大手1
PAGE TOP