その見積もりは適正?屋根工事の見積もりについて専門店が徹底解説。

屋根工事見積もり1

屋根工事で見積もりをもらう手順

屋根工事をするためにはまず見積もりをもらわなくてはなりません。
業者を探し、見積もりをもらうまでの手順をまとめました。

業者を探す

屋根工事見積もり2

インターネット

もっとも手軽に業者を探せるツールであることから、現在はいちばん多く利用されているのがインターネットです。一度に多くの情報を得られる比較サイトやまとめサイトが効率的です。
また、個別の会社ホームページはほとんどの業者が作っています。県名や市町村のエリアと「屋根工事」といった組み合わせで検索するとずらっと表示されます。サービス紹介や業務紹介といったページを見ると、その会社が専門とする、得意なカテゴリーの工事がわかります。
施工事例は件数だけでなくエリアや工事内容でどのような工事をどのあたりで多く施工しているかがわかります。お客様の声などもあればより良いでしょう。
会社情報では、住所・電話番号・代表者名など基本情報の他に、創業・設立・資本金まで記載してあればより良いです。
その他、社員紹介なども含めなるべく画像や顔を公開しているほうがオープンな会社と言えます。


お金がかかっていそうな立派なホームページだからきちんとした信頼できる会社であるとは言い切れません。小さな会社でもコツコツといい仕事を積み重ねて信頼を得ている会社もあります。

折込チラシ

新聞やポストに投函されているチラシを参考にするのも有効です。とはいえ、情報量は限られますので、気になったチラシがあった際にはその会社のホームページや口コミを探してみましょう。
また、工事金額の例として参考的に費用が記載されていることがありますが、ほとんどの場合は材料や足場など全ての項目で最小限の費用を想定して算出されています。掲載されている金額を鵜呑みにして依頼すると、想定より各種費用がかかった結果、思っていたよりずいぶん高いというのはよくあるケースです。

電話帳

電話帳で探すというのはもっとも手間のかかる古典的な方法ですが、まれにですが老舗的な昔気質の業者はホームページを作成していないこともあり、そういった業者を探し当てる可能性があります。
電話帳だけで探すのは厳しいにしても、他の方法と併用して利用することは考えられます。

知り合いからの紹介

友人や親戚などの知り合いから紹介してもらって業者を探すという方法もあります。
知っている人が既に信頼している会社であれば、少なくとも悪質な業者にあたることはありませんので安心できます。
ただ、その業者が専門・得意としている工事と、あなたが考えている工事内容がマッチングするかどうかという問題があります。見積もりや実測調査の前に、ホームページや実際に会った際に確かめておくようにしましょう。


また、紹介してもらって見積もりを出してもらっても、確実にその業者に依頼するとは限らない以上は、お断りする可能性があります。紹介してもらったのに断るというのは気が進まないものです。案外業者のほうは気にしていませんが、感情的に断りづらくなるものです。もし依頼して工事が進んでいくなかで、何か気になるところや疑問点、本音ではやり直してほしいな、などと思っても紹介してもらった知り合いに気を使ってしまい強くは言いにくいというのもよくあるケースです。
紹介ではありませんが、近所で似たような工事が行われた際に、工事が丁寧そうだとか職人さんの雰囲気がいいなど、興味を惹かれる要素があれば、その工事を施工した業者に問い合わせしてみるという方法もあります。

見積もりを依頼する

業者をある程度絞り込めたら、まず見積もりを依頼します。ホームページの問い合わせ(contactなど)、または直接電話するなどの方法で依頼できます。
複数ある業者の中で、特に決まった順番はないものの、もし本命に考えている業者があれば、先に依頼した方がいいでしょう。特に工事内容が全面的に葺き替えるなどの規模の大きなケースでは、採用する屋根材を相談したうえで仕様を決めてから見積もりを作ることになりますので、早い段階で決めていくことになります。
細かい仕様は業者によって異なる提案があるかもしれませんが、基本的な工事内容や目的は必ず統一して見積依頼することが前提です。

現地調査をしてもらう

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見積もりを依頼すると、業者はまず現地の実測調査をしに自宅へ来ます。
その際、自宅や工事を予定している建物の図面があれば用意しておきましょう。図面があれば業者は現物と図面との整合性を確認することができます。
ただし、図面があるからと言ってほとんど調査せずに帰ってしまうようであれば要注意です。施工の段階で細かい箇所を変更している可能性もありますので、実際に工事をする現物を実測調査したうえで見積もりを作らなくてはならないことに変わりはありません。ここを省略・手抜きするようでは、見積もりや現場の施工も疎かになる可能性があります。


実測調査の時間は工事内容によりますが、他の業者と比べて明らかに短時間で撤収する業者も要注意です。ただし、ドローンを導入している業者は、スピーディーで的確な調査が可能です。
また、全面的な工事のケースでは、業者はなるべく屋根裏を確認しようとします。屋根の下地は屋根裏からでないと確認できません。
さらに親切な業者であれば、要所要所で写真を撮り、それを見せながら説明してくれることもあります。後日、見積もりと合わせて「調査報告書」や「提案書」といった形にまとめて渡してくれる業者ならなお良いでしょう。


いずれにしても、工事を依頼する側も施工する側も人間ですので、どうしても相性やフィーリングというものがあります。現地調査などの機会を含めたその業者とのコミュニケーションのなかで相性やフィーリングが合うか確認することができます。
工事の仕様を決める、あるいは決めてある仕様を伝え、見積もり作成にかかる日数を確認しておきましょう。

屋根工事の見積もりを取る際の注意点

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必ず複数社から

相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することです。
もし極端に金額に差があれば、どちらかが相場より高い可能性があります。複数社を比較することで適切な工事内容や金額がわかります。
とはいえ、単に相見積もりを取って安い方に決定するのが良いわけではありません。見積内容に曖昧な部分はないか、金額だけでなく施工方法や材料などが適切か、どちらがより良い選択になるか比較検討するためです。金額だけでなく施工方法や材料などの違いにも注目しましょう。金額が高くても耐久性や安全性に優れていることで、中長期的に考えた場合お得な場合も多々あります。
いずれにしても、競合相手が存在することで業者は不要な費用は省き、内容も吟味した緊張感のある姿勢で臨まざるをえなくなります。


ただし、あまり多く見積もりを取りすぎると断るのも大変になります。2〜3社程度が適当です。見積もりを取りすぎると情報が多くなりすぎて判断ができなくなりますので注意しましょう。

大手だけでなく地元業者からも

大手の会社は実績もありそれなりに信頼できる面もありますが、屋根の工事は地域性や緊急性を伴うことがあり、小回りの利く地元業者は欠かせません。
また、業者を探すにあたっては大手のほうが探しやすいのですが、傾向としては大手のほうが見積金額が高くなることが多いです。
エリアの気候を熟知し、万が一の対応がスピーディーな地元業者からも見積もりを取るようにしましょう。

火災保険や補助金について

台風や地震、豪雨などの自然災害で被害を受けた箇所の現状復旧に要する工事費用については、加入している火災保険でカバーできることがあります。
また、自治体によっては経年劣化による屋根工事でも補助金を利用できることがあります。治体の補助金を利用することで工事代金の一部を抑えることもできます。
業者と相談したり、自分で調べてみたりして確認してみるといいでしょう。

見積もりが適正かをチェックする方法

複数社比較する

同じ工事内容での見積もりを依頼し、見積もりが出揃ったら、内容や金額の比較をします。
金額については、各業者によって違うのはもちろんですが、極端に高い、あるいは安いといった場合はどの部分が高く、どの部分が安いのか、比較することでわかってきます。
また、比較するとある業者では記載されている工事項目が、別の業者では記載がないといったことも起こります。
金額の違いは仕様の違いによって発生している場合が多いので、ひと通りチェックが必要です。工事期間や付帯工事などについても大きな違いがないか、確認しましょう。
簡単な比較表を作ると分かりやすくなります。各工事項目に分けて、仕様、名称、総額、各項目の小計、といった仕訳を一覧表にまとめます。


先述の通り、金額が安いことだけでは優良であるという根拠にはなりませんので、気になる点、疑問な点については、遠慮なく問い合わせしましょう。そのやりとりのなかで、丁寧にわかりやすく説明してくれるか、曖昧にごまかすような返答をしてくるか、見極められることもあります。

チェックポイント

屋根工事見積もり5

商品名が記載されているか?

工事で使用する屋根材や塗料などのメーカー、商品名、グレードなどが記載されているかチェックしましょう。
記載がないと、思っていたものより安価な商品やグレードの材料を使うことが考えられますし、見積の比較が正確にできなくなります。きちんとした信頼できる業者はメーカー、商品名、グレードなどを必ず記載しています。単に「瓦」とか「ガルバリウム鋼板」とだけ記載されていても色んな種類があります。
そして単価も表示しています。たとえば1㎡当たりはいくら、1メートル当たりならいくら、といった形です。ただし材料代と作業費とを分けて記載するかどうかは工事内容や業者のスタイルによってもさまざまです。

面積が記載されているか?

材料や商品名と共に、記載されているかをチェックしたいのが数量です。屋根であればまず面積です。業者は現地調査で面積を含む各部位の実測を行いますが、業者によって計測の仕方に微妙な差がありますので、ぴったり一致することのほうが少ないくらいです。ただ、あまりにも面積に差があるようでは単価が同じでも総額は大きく変わってきます。
面積が記載されていない場合は金額の根拠が曖昧になり、あとになって「想定していたより大きかった」などの理由で追加予算を請求するという悪質な業者もあります。面積を確認し記載してもらいましょう。記載を拒む業者はその時点でお断りしてもいいくらいです。
面積以外にも各数量については可能な限り記載されている方が正確な実測調査をしている可能性が高いと判断できます。
一式で表記せざるをえない項目もありますが、あまりにも一式が多ければどんぶり勘定で費用の根拠がわからず、曖昧にしていることもあります。

工程が細かく記載されているか?

屋根の工事では、メインの屋根葺き工事や塗装工事以外にも仮設足場の設置・撤収や解体、下地工事などがあります。
工程表の記載はこれらの工程を分けて予定を記載するのが通常です。屋根工事一式としてまとめてしまい、おおよそ〇日間、といった簡略した表記では工程とは言えません。
もし工程や見積もりの記載に不備があるような業者だと、施工中や施工後にわたってもお客様への適切な対応やアフターメンテナンス、さらに近隣への対応などに関してもきちんとした配慮のある行動が期待できません。

予備費が記載されているか?

予備費とは、あらかじめ予定されている費用以外に必要になった場合に使うことができるよう余分にみておく費用です。見積もりの項目に「予備費」と書く業者は少ないかもしれませんが、経験のある業者であれば予備費を考慮して見積もりを作成するはずです。相見積もりを取った時に、極端に他より安い業者の場合は、予備費を考慮していない可能性があります。この場合、工事の途中で追加費用が発生したり、「ここは別料金です」といって費用を求めてくる場合があります。だからこそ、内訳を見てどこに差があるかを見る必要があるのです。
予期せぬ不具合に対応したり、仕様やグレード変更、材料不足などに対応します。その際にできるだけ工事を止めることなく、お客様にも追加の費用をお願いせずに進めることができます。工事内容や業者によっても予備費の割合は異なりますが、おおよそ見積金額の1割前後が多いようです。
工事期間にも予備日として数日設定されることがあります。これは天候などにより工期が延長される可能性があるからです。

まとめ

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屋根工事の見積もりをもらう手順や注意点、見積もりが適性かのチェックポイントについて解説してきました。
屋根工事に限らず建築工事全般には定価というものがなく、1件ごとに費用が変わるため、割高かどうか、適正な価格かどうかはわかりにくいのが現実です。
そのため複数の業者から見積もりを取り、比較検討する必要があります。出てきた見積もりについても、1社だけではそれが適切な内容になっているのかは判断できません。
詳細が記載されているに越したことはありませんが、あまりにも専門的過ぎる内容ではかえってお客様のほうは混乱してしまうこともあります。
見積もりの内容についても、説明についても、お客様にとってわかりやすくなっていることも信頼できる業者かどうかの判断ポイントになります。

髙橋 直浩

株式会社 高橋ブリキ工房
代表取締役社長

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