板金工事とは?他の工法との違いやメリット・デメリットを解説!

屋根工事板金1

板金工事の種類と工法

板金工事は、基本的に金属を使用して屋根および建物の工事を施工します。本記事では板金工事の種類と工法を解説します。

屋根工事板金2

金属屋根

板金工事として種類が多いのが金属屋根の工事です。

金属屋根工事とは、金属素材の屋根材を使用して屋根を施工することです。主な金属素材の屋根材として、ガルバリウム鋼板やトタン、ステンレスや銅板などが挙げられます。

また、工法すなわち葺き方もさまざまなパターンがあります。大きく分けると、縦葺き、横葺き、瓦型の3つがあります。

縦葺きは、材料を縦に並べて葺いていきます。横葺きは横に並べて葺きます。瓦型は材料を和瓦のようなウエーブ型に成形したもので、横葺きの一種といってもいい葺き方です。それぞれに縦横の寸法、ピッチなどの規格があります。量産品の場合は各メーカーで決まった寸法があり、加工品はコイルや平板から効率よく取れる寸法の定番があります。厚みは材料の種類によって違いがありますが、0.3ミリから0.5ミリ程度が一般的です。

金属サイディング

金属サイディングは、外壁に金属材の壁材を使用し施工することです。

住宅の外壁には窯業系のサイディングボードやリシンの吹き付けが多かったのですが、近年は金属サイディングが増加しています。ガルバリウム鋼板を材料にした外壁が多く、形状やカラーも多様です。塗装材になりますので、定期的な塗り替え工事が必要です。

金属サイディングの特徴には大きく分けて、デザインと軽量化があります。シンプルでスタイリッシュな外観に仕上がるため、一般住宅にマッチしやすいといえます。また、サイディングボード系の外壁材に比べ重量が軽くできますので、建物全体を軽くして、耐震性が高くできます。軽量なのでカバー工法にも向いており、既存の外壁を解体撤去することなく安価で施工できます。

金属製の雨樋

雨樋というと塩化ビニール製のイメージがありますが、金属製の雨樋はガルバリウム鋼板やステンレス、銅板や銅メッキ鋼板が主流です。軒樋には角型と半丸があり、縦樋には角型と丸型があります。雨樋の工事でメインとなるのは軒樋ですが、受け金具も重要です。

受け金具は建物の軒先と軒樋をつないで固定しますので、軒先の形状や寸法によって調整が必要ですし、勾配も考えないといけません。既製品であれば費用はおさえられますが、垂木や軒先材の側面か正面かなど、固定できる部分は限られますので、特注になると単価が上がります。また、雨樋工事では垂直方向の縦樋やエルボ、集水器など部材点数が多くなります。

庇板金

庇の板金工事は、窓などの開口部の上部に雨よけのため設置される流れが短い屋根の板金工事です。

ガルバリウム鋼板をはじめ、金属屋根工事で使われる金属材料で施工されます。

面積も少ないため簡易的な工法になりますが、外壁との取り合い(結合部)がありますので、外壁材の内側まで屋根材を差し込むなど水切りを考えた納まりが必要です。

水切り板金

水切り板金は、屋根と壁などの取り合い部分に必要な板金工事です。

下屋根など、1階部分の屋根と2階の外壁がぶつかる部分は、雨漏りしやすいため水切りのための工事を施工します。壁に当たった雨水が直接ジョイント部分に落ちないよう、屋根材の上へ流すようにします。

板金工事の特徴

費用相場

板金工事の費用相場は、一般的な住宅で金属屋根、金属サイディング、雨樋などのすべての工事種類を一式施工するとして、おおよそ200万円前後になりそうです。もちろん、使用する材料や工法などによっても変わってきますので、目安としての相場です。

耐用年数

板金工事の耐用年数は、使用する材料や塗装にもよりますが、おおよそ20年から50年と幅があります。塗装の塗り替えメンテナンスについては10年から20年程度が一般的です。

劣化症状

板金工事の劣化症状は、まず塗装から始まります。塗装面に錆びや剥がれがあると、早く劣化が進みます。耐用年数が近づいてきたら、色褪せにも注意しましょう。また、台風や地震のあとは、屋根をチェックすることをおすすめします。強風であおられたり、飛来物によって屋根に凹みなどの破損があるかも知れません。

板金工事のメリット・デメリット

メリット・デメリット

板金工事のメリットとしては、軽量化が挙げられます。。

軽量化によって、耐震性が上がりますし、屋根でも外壁でもカバー工法に向いています。

また、環境にやさしい面があります。他の屋根材に比べて産業廃棄物が大きく減らせますし、金属の材料によってはスクラップ買取りの上リサイクルが可能です。

対して、板金工事のデメリットは、他の屋根材に比べて遮音性や断熱性が低いことです。これは材料の厚みが薄いので当然と言えます。雨音が響きやすいのはよくある話です。しかし、遮音シートや断熱材一体タイプで施工することで解消できます。

また、塗装メンテナンスの必要があります。瓦などの塗装メンテナンス不要の材料と比べれば、ガルバリウム鋼板などの塗装メンテナンスが必要な板金工事は初期費用が安くできる傾向はありますが、塗装メンテナンスには手間も費用も掛かります。銅板など塗装メンテナンス不要の板金屋根もありますが、材料費用が高くなるため瓦と同等程度の初期費用がかかります。

板金工事業者の選び方

板金工事業者を選ぶ時は、まず板金屋根や外壁を専門にしている業者にしましょう。板金工事は専門性が高い業種なので、瓦などの他の屋根材を施工している業者では施工が難しいか、施工するとしても下請け業者への委託を前提とした形で依頼することになることが多いです。

また業者を選定する際は、複数の業者に見積もりを依頼し、相見積もりを取ることをおすすめします。費用が適切かどうか判断するためには、1社だけの見積もりでは判断が難しくなるからです。比較的広域で活動する大手の業者と地元密着型スタイルの業者を両方候補に入れておくのがポイントです。信頼できる業者であるかどうかを見極めるのは簡単ではありませんが、ホームページなどで情報をしっかり提供しているかをよく検討しましょう。少数精鋭で営業している地元密着の業者でも、施工事例や会社情報をしっかり公開している業者なら信頼できる可能性が高くなります。

まとめ

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板金工事の種類と工法、メリットやデメリット、業者の選び方について解説しました。

板金工事と言っても、材料や工法にはさまざまなパターンがあります。費用が適切かどうかも、信頼できる業者かどうかの判断にかかっています。

板金工事にはメリットもデメリットもありますが、現在はデメリットを解消できる手段も多く、板金工事の需要は年々増えています。

板金工事の検討の際に参考にしてください。

髙橋 直浩

株式会社 高橋ブリキ工房
代表取締役社長

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