工場や倉庫の屋根工事で注意したい点をプロが解説。

屋根工事倉庫1

工場や倉庫の屋根の特徴

屋根工事倉庫2

雨漏り

通常、建物の屋根と室内との仕切りには天井があります。ところが工場や倉庫には天井がないことが多くみられます。工場や倉庫は一般住宅のように天井を作る必要がなく、扱う製品によっては天井が邪魔にさえなるからです。天井がないということは、屋根裏(天井裏)が無く、デッドスペースが生まれないため、空間を広く使うことができます。一般住宅でいう勾配天井(傾斜天井)のようなイメージです。

反面、雨漏りすると直接屋内へ雨水が流れることがあり、成型機など高額な機械設備、ストックしている製品や梱包を水で濡らしてしまったり、生産ラインを止めたりすることになります。

工場や倉庫の屋根は切妻や片流れタイプのシンプルな形が多く、雨漏りには強いタイプではありますが、屋根材をはじめ部材の劣化や破損などによって雨漏りするケースがあります。たとえば、屋根材同士の重なり部分をつないでいるボルトが錆びてしまったり、錆をもらった屋根材が傷み、穴が空いてしまったり、台風の強風や飛来物の衝突で屋根材が変形したり、エリアによっては雪の重みで屋根材がズレたりすることもあります。

工場や倉庫の雨漏りで注意したいのは、会社の財産である機械や商品に被害が出てしまうことです。

断熱

工場や倉庫はそもそも人が住むことを想定していないため、居住性はあまり考えられていません。そのため、屋根に限らず壁なども含めて断熱性は低く、空調などは一般住宅と比べて効きにくいと言われます。夏は屋根に当たった太陽光の熱が直接屋内に影響するため高温になりやすく、冬は地面からの寒気で底冷えするといわれます。

もちろん、スタッフの作業環境や商品の保管環境を考慮して、断熱性を高める必要がある場合もありますので、そういったケースでは別途対策を施すことも少なくありません。

工場・倉庫の環境改善の施工については、後述の『遮熱工事』で詳しく紹介しています。

点検

工場や倉庫などの営業用施設では、屋根の点検メンテナンスは後回しになりがちです。光熱費コストや人件費など、日常的な運営コストがかかってしまうため、建物施設のメンテナンスにかかるコストは見えにくくなり、担当者や部署も明確になっていないことも多いため、点検メンテナンスまで気が回らないことがよくあります。また、施設のメインは屋内の稼働ですし、屋根は見えにくく、下から見ただけでは屋根の状態を確認出来ないため、屋内で雨漏りなどがない限り話題に上ることはありません。優先順位が低いため、もし点検メンテナンスを予定しようとしても操業の閑散期を狙った結果、年に一度あるかないかのタイミングになってしまうこともあります。

また、点検して万が一不具合が見つかった場合、操業を停止してほしいと上司や経営者に言わなければならないかも知れないというのも心理的に抵抗が生まれやすい要因です。あきらかな雨漏りであればかえって修理やメンテナンス、葺き替えなども進めやすくなるのですが、雨漏りが発生した時には手遅れになってしまう可能性があります。

塗装

工場や倉庫の屋根はシンプルで軽量な屋根材が多く使われています。金属や板金系の屋根材が多いため、塗装されている屋根です。塗装材はおおよそ10年から20年程度で塗り替えのメンテナンスが必要になります。

工場や倉庫の屋根におすすめの素材

屋根工事倉庫3

折半屋根(せっぱんやね)

折半屋根とは金属をノコギリの刃のようなギザギザに加工した屋根です。

見た目が良いとはいえませんが、機能性やコストパフォーマンスに優れているため工場や倉庫の屋根として多く採用されています。折り曲げることで強度を出し、量産できるためコスト削減に有効です。また長尺であるため作業員の手間が減り、安価で施工できるようになっています。

素材には亜鉛メッキ鋼板(トタン)やガルバリウム鋼板、ステンレスなどの金属が使われています。

折半屋根は工期が短く、ジョイント・つなぎ目が少ないため雨漏りがしにくい特徴があります。ただ、素材によっては錆びやすく、定期的な塗装メンテナンスが必要です。

波型スレート

セメント系の波型スレートも工場や倉庫の屋根として多く採用されてきましたが、昔の波型スレートの屋根には人体に有害なアスベストが含有されており、金属系の折半屋根が主流となってきた経緯があります。最近ではアスベストを含まない製品も販売され、再び工場や倉庫に採用されています。

特徴としては、安く、施工もしやすいことに加え、金属系の屋根に比べ遮音性に優れています。そのため、波型スレートは成形・鍛造工場やプレス工場など、騒音が発生してしまう業種の工場に採用されています。

工場や倉庫の屋根の補修・修理

工法

カバー工法

カバー工法とは既存の屋根材の上に新規の屋根材を被せて施工する、一般住宅でも採用されている工法です。

全面的に屋根を撤去してから新規の屋根を葺く葺き替え工事と比べ、既存の屋根を撤去する必要がないため、安価かつ工期も短くできます。さらに、工事中の工場操業も可能です。

しかし、屋根が2重になるので重くなります。屋根が重いと耐震性が低下してしまいます。また、夏は熱がこもりやすくなり、屋内が暑くなりやすい傾向があります。

屋根塗装

屋根の塗装は塗料のグレードによって10年から20年くらいで塗り替えのメンテナンスが必要です。

塗装の屋根では、屋根材そのものではなく表面に施工されている塗装で防水をしています。つまり、塗装が劣化して、防水性能がなくなってしまうと錆が発生したり雨漏りが起きたりします。

最近では遮熱塗料なども出ています。防水と共に熱を遮ることで屋内の環境が改善し空調費用などもおさえることができる可能性もあります。

葺き替え工事

葺き替え工事は、既存の屋根材をすべて解体撤去したうえで新しい屋根材を施工します。既存の屋根が寿命を迎えている場合に検討します。

耐久性がもっとも高くなる確実な工法ですが、費用も高額になります。工期もかかりますので、施工中に工場の稼働を止めなくてはならないケースだと困ることもあります。

遮熱工事

屋根だけでなく壁にも関係する工事ですので他の屋根工事とは少し異なりますが、当社では、持続性、施工性、安全性、環境性など様々な面で従来の断熱材よりも優れた性能を有する超薄型遮熱材「リフレクティックス」を活用し、工場、倉庫、畜舎、各種商業施設など様々なシーンでの環境改善、省エネのお手伝いをしています。

工場や倉庫には人が住むことは少ないとはいえ、働いている人たちの労働環境や、商品などの保管状態について頭を悩ませている経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。

生産効率向上の施策についてご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

超薄型遮熱材「リフレクティックス」についてはこちら(超薄型遮熱工事ページへ)

費用相場

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工場や倉庫の屋根工事の費用ですが、屋根の面積や工法によって大きく変わってきます。

もっとも安いのは塗装工事です。面積や塗料のグレードにもよりますが、30万円から100万円程度が相場です。

カバー工法や葺き替え工事では、新規の屋根材が必要になりますので、塗装よりも高くなり、100万円から300万円ほどが相場です。もちろん工場や倉庫の規模が大きくなるほど費用は高くなります。1㎡あたりで考えると、9,000円から20,000円くらいの幅があります。

まとめ

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工場や倉庫の屋根工事で注意したい点として、工場や倉庫の屋根の特徴、広く使われているおススメの屋根、さらに工法について解説してきました。

工場や倉庫の屋根は、人が住むことを想定する必要がなく、機能性重視になるため、見た目は気にせずリーズナブルな屋根が主体になります。

とはいえ、工場や倉庫の中には大切な会社の財産がありますので雨漏りすると直接的な被害が発生する恐れがあります。それを防ぐには定期的な点検メンテナンスが必要です。また、工事をすることになると、工事中に屋内が稼働できるかどうかが問題になります。最近ではなるべくカバー工法で工事中も稼働させる方向になっていますが、何度もできる工法ではありません。

屋根のメンテナンス費用は経費として計上できることが多いのですが、現状より優れた機能や新たな機能が加わった場合は計上できない(計上方法が異なる)こともあるため、事前の計画・相談が大切です。

髙橋 直浩

株式会社 高橋ブリキ工房
代表取締役社長

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